こんにちは、札幌も新緑が美しくなってきましたね
18期のK・Nです!広報担当としてブログを盛り上げていければと思います、お手柔らかにお願いいたします🙏
ちなみに私は院試対策の時にこのブログをたまに読んでいたので、実際に執筆できるのは感慨深いものがありますね。
さて、本題に移りましょう。
参議院選挙が近づいてきました。国民全体にとって(公共政策大学院生にとっては言うまでもなく)重要なモーメントです。
そんな今、紹介したい本はこちら。
アダム・プシェヴォスキ(2021)『それでも選挙に行く理由』(粕谷祐子・山田安珠訳)、白水社
です!
Przeworski, Adam (2018), Why Bother with Elections?, Polity Press の日本語訳版ですね。
和訳タイトルはかなり意訳していますね。ただこの本はタイトルとは打って変わって、「選挙に行こう!」と啓発する内容ではないところがポイントです。また、これまでの研究の知見やデータなどを踏まえつつも、専門書と言えるほど難解な書ではない一般書扱いなので、読みやすさもあるところも嬉しいですね。
本書は、(民主的な)選挙の長所、短所、限界について明らかにしています。その上で彼は
本書における私の最大の主張は、選挙の最大の価値は、社会のあらゆる対立を暴力に頼ることなく、自由と平和のうちに処理する点にあるというものだ。p.7
と述べています。つまり選挙とは、ルールに則った紛争なんですね。その意味では、この本の帯(写真は図書館から借りてきたものなのでありませんが)にある通り、投票用紙とは紙でできた石つぶてなのかもしれません。
詳しいことはぜひ本書を手に取っていただきたいですが、この本のポイントは、選挙というものを過大評価も過小評価もせず、冷徹なまでに実態に沿って理解しているところだと、個人的には思います!
皆さんも本書で選挙への理解を深めて、「紙でできた石つぶて」を投げに投票所に行きましょう(啓発)
余談ですが、このプシェヴォスキ氏、ロバート・ダールやアレント・レイプハルトなどと比肩するレベルで有名な政治学者だと思いますが、これまで日本語で読める文献は多くありませんでしたので、もっと広まって欲しいなと思います。
HOPSにはどんな問題意識を持つ学生がいるのかをアピールする方法にもなりますし、本紹介はシリーズ化していきたいと思っています!次回に乞うご期待です、ではこの辺りで。
(文責:18期K・N)