こんにちは!18期のK・Nです!
弊学は芝生でご飯が食べられる緑豊かな季節を迎えております。
本日の本紹介はこちら。
エリカ・フランツ(2020)『権威主義 独裁政治の歴史と変貌』、白水社(上谷直克、今井宏平、中井遼訳)
です。Frantz, Erica(2018), Authoritarianism : What Everyone Needs to Know, Oxford University Press の邦訳です。
「皆が知るべきこと」シリーズという題で色々なテーマの概説書を出版しているオックスフォード、流石。内容的には、一般書と専門書の中間くらいかなあと感じました。
権威主義(体制)ってあまり聞き慣れないかもしれませんが、すごく簡単に申し上げると独裁のことです。v-demのデータを見ると、北朝鮮、ロシア、中国、サウジアラビア、キューバ、ベネズエラ、ベラルーシなどが該当しそうです。本書によると、近年の権威主義体制は、選挙などの民主的な制度を「表面上は」備えるようになっているそうです。
COVID-19の初期対応時に中国が抑え込みに成功した(っぽく見えた)ことで「危機対応は権威主義体制>民主主義体制!」という主張が実しやかになされていましたが、2年半ほど経った現在を見てみるとそんなことはなさそうなので、政治体制によって危機対応能力を説明することはできない気がしなくもありません。誰か研究してみては如何でしょうか(笑)。
では、権威主義とか民主主義ってなんぞや!という方のために、本書から定義の引用。
いいかえると、本書が使用する権威主義体制の操作的な定義において、権威主義体制と民主主義体制を分ける際立った要因は、政府が自由で公正な選挙で選ばれるか否かである。p.19
選挙の自由さと公正さを基準点に考えていますね!
他方で現在の日本は、権威主義体制ではなく民主主義体制と言われています。
ですが、現時点で民主主義体制であることは、今後もずっと民主主義体制であることを意味しません。筆者は本書を読んで、自由で公正な選挙が行われている現実にありがたみを感じました。というわけで皆さん選挙に行きましょう(啓発)。
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こうして見ると、テーマが幅広いですね。
関心のある分野(あえて関心の無い分野)の授業に潜り込んでみるといいかもしれません。
それでは、本日はこの辺りで。
文責 18期K・N