北海道大学公共政策大学院 学生ブログ

北海道大学公共政策大学院(HOPS)の院生が運営するブログ

地域政策論・蘭越町演習

こんにちは、21期の菊地です。


「公共政策とは何か?」を日々学ぶHOPS学生ですが、いつも教室にこもっているわけではありません。
HOPSの理念の一つが「理論と実践」。
というわけで、今回は私が履修している「地域政策論」(今井先生)にて実施された蘭越町でのフィールドワークの様子についてお伝えします。


HOPSでは、地域訪問での演習を通じた学習機会が多く用意されていますが、地域政策論もその一つ。
人口減少による人手不足や地域経済の活性化の課題に直面しながら、道内自治体での官民連携に奮闘する民間団体。
逆に、都市部に拠点を構えつつ、スポーツや環境問題からの官民協働をめざす民間団体。
そんな挑戦を続ける皆さまをゲストスピーカーとして講師にお招きし、現場の実態や本音を聞くことができるのが地域政策論の醍醐味です。
しかし、座学だけにとどまらず、なんと今年は参加希望の学生全員で、1泊2日の蘭越町で演習を実施するとのこと。
「これは参加せずにはいられない!」と熱くなる私。


しかし、社会人として仕事を抱えており、「2日間の参加は難しいな…」と気を揉んでいたところ、今井先生からは「日帰りでも大丈夫ですよ」とのお言葉。
実際、演習には多くの社会人学生も参加したほか、予定があるため1日だけ参加する学生も。
こうして柔軟な対応をとってもらえるのは、働きながら学ぶ立場としては本当にありがたいことです。
7月上旬の土、日の週末、ワクワクする気持ちを蘭越町へ!


蘭越町では、町が運営する道の駅や宿泊施設をバスでめぐって視察。
現地ではスタッフや担当職員のお話も聞き、その後は学生全員でグループに分かれて町有施設の経営改善に向けて議論しました。

蘭越町 道の駅 シェルプラザ・港

このグループワークにはHOPS学生だけではなく、近隣の自治体職員の皆さんも参加。
私を含めた学生からの奇想天外な経営改善提案に対し、「うちの町にも道の駅はあるが……」「行政の立場から言うと……」と学生の視点とは異なる意見がかみ合い、大変充実した議論となりました。
こうして、実際に現場を知り尽くす自治体職員と机を並べ、本音で語り合える時間を持てたことも貴重な経験となりました。
なお、メロンや地酒の差し入れもいただきました!

メロンを片手にグループワーク

夜は温泉に入り、今井先生の部屋に大集合。
「蘭越町の地域課題は!」というグループワークの続きから、「HOPSの目指すべき役割は!」という話題まで、夜が更けるまで語り合いました。
その後、各自が部屋に戻ってからも歓談は続きます。
40代後半の私は、前途洋々たる20代前半の学生3人との相部屋。
布団に寝転びながら缶ビールを片手に4人であれこれ語り、「ああ、30年ぶりの修学旅行だなぁ…」と楽しい夜を過ごしました。
お付き合いしてくれたH、N、G君、ありがとう!!


ちなみに、2日目の演習には参加できなかった私でしたが、蘭越町長への政策提言では、見事に「副町長賞」を獲得したとのこと。
学び、出会い、語らいの多く、有意義で充実した地域政策論の現地演習となりました。


文責:21期菊地

www.town.rankoshi.hokkaido.jp

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ジンパ🐑 2026

こんにちは、21期の菊地です。


風薫る6月の北海道。北大キャンパス内も新緑から夏の深い緑へと移り変わり、気持ちのいい季節がやってきました。
そして、この時期と言えばそう、今年も「HOPSジンパ」の開催です!


「ジンパ」と聞いて、すぐに理解できたあなた。北海道通です。
道民にはおなじみ、北大の公用語でもある「ジンギスカン・パーティー」の略称です。


毎年6月ごろに開催するHOPSジンパは、学生同士や教員との交流はもちろん、OB・OGが家族連れで参加する楽しい楽しいひとときです。
かくいう私も、妻と4歳の娘を連れて参加しました。

 

ジンパの様子


今年はHOPS学生、卒業生、教員ら計60人ほどが集合。ジンギスカンが焼けるのを待ちきれず、ビールで乾杯する姿があちらこちらに。(私もその一人です)


岩谷院長からの「お酒に飲まれないように!」という、ありがたい開会の辞をいただき、ジンパはスタート。


盛大に肉を焼き、野菜を焼き、子どもたちがマシュマロを焼く横で、缶ビール片手に会話に花を咲かせる参加者たち。

マシュマロも焼いています


青空が広がり、心地よい風が吹き抜けるなかでの3時間の宴となりました。


参加された皆さま、お疲れさまでした!

 

文責:21期菊地

【後編】教科書の中の「政策形成」が、私たちの日常を動かした日。

【前編】からつづく

 

こんにちは、21期の菊地です。
自習室が1部屋減るかもしれない――そんなHOPS院生にとっての重大局面に開催された、臨時の幹事会。

ミーティングでは早速、以下のような意見が飛び交うことになりました。


「アジェンダ設定として、専用教室による学習環境の改善でいいのか?」
「自習室の転用は、政策課題ではなく政策手段なのか?」
「フレーミングの仕方で問題の受け取り方が変わるのではないか?」
「院生の意見をどう集約するのか?」
「多数決で決めるのか?少数意見はどう拾うのか?」


幹事間の議論を聞いていて、私はある「既視感」を覚えました。
「あ、これは1学期の必修科目のひとつ『公共政策学』で繰り広げられていた政策形成プロセスそのものではないか!?」

HOPSでの講義では、政策形成プロセスについても学習しました。


アジェンダ設定

政策立案

政策決定

政策実施

政策評価



このように段階的にモデル化できることを学びましたが、あくまで知識、イメージとして頭のなかに叩き込まれたものでした。
それを実際に、自分たちの手で再確認する作業は貴重な体験です。


国家や地方自治体を舞台にするような大きな政策テーマでは決してありません。しかし、私たち院生の日常を左右する身近な課題について、公共政策学を学んだ立場から、政策決定の議論が進んでいく様子に私は静かな感動を覚えました。
そして、そんな議論を展開する院生の仲間を頼もしく感じました。


「理論と実践の架け橋」は、HOPSの理念の一つでもあります。やはり、頭で学ぶだけでなく、実際に実体験を通じて学ぶ重要性を痛感した出来事でした。


それにしても、教室改修や自習室転用など大学施設の利活用にもかかわらず、ここまで学生の意見を尊重しながら手続きを進めるとは…。
教授陣や大学側が学生の自治を尊重しているという点においても、HOPSは実践の場を多く提供してくれているのだと実感しました。


ちなみに、院生の意思確認を経て、自習室は教室として改修されることが決まり、空き室に新たな自習室スペースを確保するなど学習環境は大きく改善しそうで一件落着となりました。


ただし!政策結果をしっかり評価した上で、不断の改善につなげるサイクルを回してこそ「HOPSの本分」でしょう。今後とも教室の運用など院生主体による学習改善に期待しつつ、自習室をテーマにして公共政策を考えてみたいと思います。

 

文責:21期菊地

【前編】教科書の中の「政策形成」が、私たちの日常を動かした日。

21期の菊地です。


私がHOPSに入学し、驚いたのが自習室の存在でした。
自習室は4部屋あり、それぞれに20席ほどを配置。学生一人ひとりにデスクが割り当てられ、講義の予習復習やレポート執筆、就職活動と思い思いの時間を過ごします。


勉強や調べものであれば、北大図書館にもスペースはある。(しかも図書館はすぐ近く)
「わざわざ席を確保しているのはなぜか?」「なぜ席が予め決められているのか?」と当初は疑問に思いつつも、見渡せばなかなか面白い発見もありました。


朝、昼、夜どころか、週末でも自席で勉強をしている人。
いつもいない人。というより、ほとんど使っていない人。(←私がこれに該当)


そんなのんびりとした時間が流れるHOPS自習室に大きな事件が起こったのは、2025年の年の瀬でした。
大学当局から院生協議会に対し、自習室を1部屋閉鎖したいという意向が伝えられたのです。
正確に言えば、自習室をHOPS専用の教室に改修したいとの意向でした。


4部屋あった自習室が3部屋に減るため、20人分の席の行方はどうすべきか・・・一方、専用教室の誕生は講義の準備や移動の軽減で学生にもメリットもある。


大学院自治を支える院生協議会(←詳細については院生協議会と院生総会を参照)は、難しい難問に直面しました。
そこで、今後の対応方針を決めるため、臨時の幹事会(ようは役員の会議のようなものです)を開催したところ、早速多くの意見が飛び交いました。

 

後編に続く…

 

文責:21期菊地

出会いと別れ、修了式と入学ガイダンスがありました!

こんにちは!21期の髙木です。

 

春になって暖かいと思ったら、また寒くなったり、服装と体調管理に気を抜けない時期ですね。

さて、春と言えば「出会いと別れ」の季節。

HOPSでも学位記授与式・入学ガイダンス、歓送迎会がありました。本日はその模様をお伝えします。

 

【学位記授与式・送別会】

学位授与式の様子はHOPS公式HPのこちらからどうぞご覧ください!

2025年度学位記授与式の挙行

 

続いて送別会です。式典後の送別会では、教職員と現役学生が集まり、修了生の門出をお祝いしました。

諸先輩方から、現役学生への熱いメッセージをいただき、とても励みになりました!

送別会:集合写真

最後になりますが、HOPSを巣立たれた先輩方の、社会でのさらなるご活躍を心よりお祈り申し上げます。たまにはぜひ、HOPSにも遊びに来てくださいね!

 

【入学ガイダンス・歓迎会】

続いて、4月の新入生歓迎行事のレポートです。

 

まずは入学ガイダンス。

HOPSでは式典としての入学式はありません(ですので、スーツで来る必要はありませんよ。2026年現在)。

代わりに入学ガイダンスを行い、そこで院長から激励の挨拶や修学上の連絡事項の共有が行われます。

また、それに続いて、院生協議会・HOPS公認サークルHALCCの紹介や協議会主催での履修相談会を実施します。

履修相談会では「どの授業が面白かった?」「仕事と両立できる?」といった新入生のリアルな悩みに、先輩たちが親身になって答える姿が印象的でした。

入学ガイダンス:院生協議会紹介

入学ガイダンス:HALCC紹介

続いて、歓迎会の様子です。

はじめは学部卒・社会人・留学生といった違いはあれど、こうした機会を通じて仲良くなるHOPSらしい歓迎会となりました。

歓迎会:集合写真

2年間という短い期間ではありますが、HOPSでしか体験できないような経験で充実した学生生活をぜひ楽しんでください!



春は、積み上げてきた知見を手に社会へと羽ばたく「修了生」の皆さんと、新たな問いを胸に門を叩く「新入生」の皆さんのエネルギーが交差する、一年で最も活気ある季節です。

職歴や専門分野が異なる多様なメンバーが、一つの教室で議論を交わし、切磋琢磨する。このHOPSならではの濃密なつながりは、修了後も、そして新生活が始まってからも、形を変えて続いていく一生の財産になります。

修了生の皆さんが切り拓く未来に学びを得、新入生の皆さんが持ち込む新しい視点に刺激を受けながら、私たち現役生一同もより一層研究に励んでいきたいと思います。

それぞれの新しいステージが、実り多きものとなりますように!

 

文責:21期髙木

HOPSの学びを地域へ:「政策討議演習」が新聞に掲載されました

こんにちは!21期の髙木です。

 

3月も後半に入り、札幌でもようやく春の気配が感じられるようになりました。
去る25日には修了式が行われました。修了生の皆様、誠におめでとうございます!

なお、送別会の様子については、後日行われる新入生歓迎会の様子とあわせてお伝えする予定です。どうぞお楽しみに!

 

HOPS(北海道大学公共政策大学院)での学生生活では、実際の政策提言に携わるチャンスが数多くあります。例えば、公認サークルの「HALCC」では、津別町を舞台に地方創生や具体的な提言活動に関わることができます。

また、授業として本格的に提言を行うのが、1年を通した演習科目「政策討議演習」です。

※令和7年度入学者までは、前期「社会調査法」、後期「政策討議演習」という構成です。

 

2025年度の「政策討議演習」では、白老町伊達市の2つの自治体から、前者は「若者や子育て世代に選ばれるまちづくり」、後者は「中心市街地活性化」というテーマをいただき、政策提言に取り組みました。

最終的にはどちらの自治体でも、提言をまとめた報告書を直接首長へ手渡させていただくという、貴重な経験をすることができました。

 

特に白老町では、住民の方々を対象とした報告会の機会もいただきました。その様子はメディアでも大きく取り上げられています。

 

HOPSでの学びがどのように地域社会と繋がっているのか、ぜひリンク先の記事からも感じていただければ嬉しいです!

 

北海道新聞 「地域活性化策、北大院生らが提案 白老で発表会」より

文責:21期髙木

【開催レポート】HOPSセミナー:企業版ふるさと納税から考える「官民連携」の現在地

こんにちは、21期の髙木です! 先日開催されたHOPSセミナー「~企業版ふるさと納税を素材に考える~ 官民連携による資金調達と資金循環の設計」の様子をレポートします。

HOPSセミナーとは?

HOPSセミナーは、第一線で活躍されている行政官や実務家の方々を講師にお招きする、北海道大学公共政策大学院(HOPS)ならではの学びの場です。通常の講義をオープン化したものから、有志による勉強会まで形式は様々ですが、常に「理論と実務の交差点」を体感できる貴重な機会となっています。

今回のテーマ:企業版ふるさと納税の「マッチング」

今回は、自治体と企業の間に入り、企業版ふるさと納税の活用を支援する「マッチング・アドバイザー」の方にお越しいただきました。

これまで「地方創生」や「官民共創」という言葉を耳にする機会は多かったのですが、実務の最前線にいる方のお話はとても勉強になりました。特に印象的だったのは以下の3点です。

  • 新しい公共時代の手法: 人口減少と財政制約の中、人口政策・財政政策・産業政策の3つを複合的に実行する。
  • 現場のリアリティ: 制度を導入したい自治体担当者が直面する企業との関係構築における壁や、企業や自治体の文化や風土の差。
  • 有効な事業をどのように形成するか: 単発の寄附で終わらせず、実効性のある事業を行える継続的な関係をどう構築するか。

参加学生の声:21期 Wさん

セミナーに参加したWさんは、制度の「本質」について以下のような鋭い感想を寄せてくれました。

今回のセミナーを通して制度に強い興味を持ちました。企業版ふるさと納税が企業と自治体がつながるきっかけを生むというお話から、他の税などの制度が社会構造の中で各主体をどのようにつなげているのかという点に興味がわきました。社会の仕組みから制度の在り方について考えてみようと思いました。

さらにセミナー内で「制度は一つのツールでしかない」というお話がありました。「最大限利用するにはどうしたらいいか」「もっと使いやすくするにはどうすればいいか」など使う物として制度を見ることで新たな視点を得ることができました。

 

 

まとめ:制度を「使いこなす」プロフェッショナルへ

今回のセミナーを通じて私たちが学んだのは、制度の「条文」ではなく「動かし方」でした。

企業版ふるさと納税という仕組みは、あくまで自治体と民間企業とが同じテーブルに着くための「入場券」に過ぎません。そのチケットを使ってどんな未来を共創し、どのような循環を生み出すのか。その設計図を描くのが、私たち公共政策を学ぶ者の役割なのだと強く再認識しました。

机上の空論に留まらず、現場の葛藤や試行錯誤に触れられるHOPSセミナー。これからも、こうした刺激的な学びを通じて、社会をより良く動かすための「視点」を磨いていきたいと思います!

 

文責:21期髙木