北海道大学公共政策大学院 学生ブログ

北海道大学公共政策大学院(HOPS)の院生が運営するブログ

社会調査法・政策討議演習とは

HOPSの授業科目に“社会調査法”,“政策討議演習”というものがあります.

どちらも科目分類では実践科目群に属しており,社会調査法は1学期に2単位分,政策討議演習は2学期に4単位分行います.

 

指導教員と学生数名でグループをつくり,ゼミ形式で政策課題に対して調査・提言を行っていきます.そのため事実上の通年科目となっており,同メンバで1年間かけて取り組むのが一般的となっています.

 

昨年度は,夕張市ニセコ町喜茂別町の3市町の協力のもと実施しました.

 

・夕張班テーマ

「まちの活性化に向けたUIターン者の受け入れ強化と若者移住促進政策の検討」

現場を知るため,2回の現地訪問を実施し,施設の視察や農協,地域づくり団体へのヒアリングを行いました.さらに,他地域の先進事例を調査するため,道内2か所の自治体及び北海道庁で,政策担当者へのヒアリングを実施しました.これらを踏まえ,毎週の白熱した議論により,提案を磨き上げていきました.最終的に,新規就農による移住者確保と子育て支援の充実という2つの大きな柱に施策をとりまとめ,市役所の担当課長に直接提言内容を発表しました.夕張市財政破綻により財源に厳しい制約があることから,新規政策を考えるに当たっては,財源額保策をセットで考える必要があり,より現実に即した政策立案を経験する貴重な機会となりました.

 

ニセコ班テーマ

中心市街地公共施設の利活用施策の検討」

検討にあたっては,地域経済システム(RESAS)の統計データ等による現状分析を行うとともに,6月にはニセコ町の各施設の現地調査を,11月には2回の関係者へのヒアリング調査を行いました.現地調査・ヒアリングや,1月の現地報告会での意見交換は,ニセコ町の現地で様々な課題や活動に関わる方々から,生の声を聞いて考える貴重な機会となりました.

 

喜茂別班テーマ

「福祉人材育成・確保政策の検討」

喜茂別町は,町の全人口に占める高齢者人口(65歳以上)の割合が,今後とも40%弱の水準で推移することが予測されています.このような状況の中で,高齢者介護等を担う福祉人材の確保・育成が大きな課題となっています.喜茂別班では,喜茂別町においてアンケート調査を行うとともに,福祉人材確保について先進的な取り組みをしている社会福祉法人の方に話を聞いたり,文献調査を行ったりすること等によって,喜茂別町における福祉人材確保・育成方策に関する政策提言をとりまとめました.今回の演習は、人口減少社会における福祉人材確保・育成という大きなテーマについて考える良い機会となりました.

 

今年度は,夕張市喜茂別町の2市町の協力のもと現在実施しています.

 

・夕張班テーマ

夕張市沼ノ沢地区における地域コミュニティ活性化と農業地区の人材確保」

 

喜茂別班テーマ

「稼げるまち喜茂別を目指した人材確保政策」

 

テーマ設定,グループでの意見交換,対象地の統計調査,アンケート作製・実施,先進事例調査,関係者へのインタビュー,政策提言書の作製,中間・最終報告とプレゼンテーション…,様々な内容を1年かけて行います.

 

これら殆どを学生主体で決定・実行していくため(もちろん指導教員のサポートもありますが),なかなかハードではありますが,笑いあり涙あり(言い過ぎた)のアツいカリキュラムですので,HOPSに入られた際はぜひ受けることをお勧めします.自身の成長とともに,地域の課題について積極的に取り組む機会となります.

 

夕張班:水曜日のミーティングの様子です

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明日から写真をもとに今年度どのような活動をしてきたか記事にしようと思います.

 

文責:HOPS14期 下平徹