北海道大学公共政策大学院 学生ブログ

北海道大学公共政策大学院(HOPS)の院生が運営するブログ

【活動報告】第3回 公共政策大学院合同ゼミに参加しました!

 

約1か月半の夏休みが終わり、一昨日から後期授業が始まりました~!

夏休みの間、HOPSの学生はインターンシップ、短期留学、アルバイトなど各自自主活動をしていましたが、今回は私が参加した『第3回公共政策大学院合同ゼミ(in東京大学)』の報告をしたいと思います。

 

「合同ゼミ」とは?

各公共政策大学院が自校の強みを持ち寄り、公共政策の知見を深める目的で開催されるゼミのこと。

第3回目となる今回は、東大・京大・早稲田大・東北大・一橋大・北大の学生20名程度が参加。

 

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合同ゼミポスター

今回のゼミ内容は、

①講演:「中国と日本の公共政策の違い」(高原教授(東大公共政策大学院院長))

②学生発表:WTOについて(京大)

③学生討論:公共政策大学院の課題と解決策(運営スタッフ)

④学生発表:地方政策について(北大)

 

となっており、それぞれ紹介していきたいと思います!

 

①講演:「中国と日本の公共政策の違い」(高原教授(東大公共政策大学院院長))

高原先生からは、中国の政治体制の仕組みについてご説明いただきました。

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高原先生 ご講演の様子

中国と日本の「国と地方の自治体制」の違い、共産党について、世論調査の取り方の難しさなどを教えて頂きました。

 

②学生発表:WTOについて(京大)

「危機に瀕するWTO体制の未来」と題し、「今後WTOがどのように変化していくべきなのかを自分なりに考えること」を目標に、ゼミが行われました。

発表者からWTOの概要や現状の課題についての説明に加え、要所でグループごとの議論を交えながら、WTO体制について考える時間となりました。

自由貿易は是か非か」「途上国をWTOへの巻き込むための方策」などを議論しました。グループのメンバーが持つ多様な視野からの意見を聞くことで、当事者の立場でどうしていったらよいかを考えることができました。

 

③学生討論:公共政策大学院の課題と解決策(運営スタッフ)

公共政策大学院に通う学生から、事前に行ったアンケートをもとに、悩みや不安を抽出し、その解決策について参加者同士で話し合いました。

 

その悩みの一つに、『公共政策大学院では「専門性の欠如」があるのではないか。』という意見があり、解決策のひとつとして「修士論文(リサーチペーパー)を必須にすべきではないか」といった意見が出ました。

そもそも公共政策大学院は実務家を養成する「専門職大学院」という位置づけから、研究を目的とした大学院(修士課程)とは異なります。専門職大学院の制度によると、修論を書くことは必須とはなっていません。そのため、修論が必須ではない大学院も多いようです。

公共政策大学院では、法律、政治、経済、工学など、学問的に多分野に渡る授業が展開されます。さらに、国内の課題から国際的な課題を扱うので、多方面に視野を広げて物事を捉えやすくなると思います。ただ、ある程度分野を絞って授業を受けないと、最後にまとまりが出てこないよな…とも思ったりします。これが「専門性の欠如」と感じる点かなと思います。

自分の中でそのような不安を持って卒業しないためにも、最後は公共政策大学院で学んだことと何かしら課題を結び付けて、納得のいく政策提言を形としてまとめたいです。

そもそも「専門性」をどう捉えるかは、この先の進路で人によって違うのかもしれないですね。

 

④学生発表:地方政策について(北大)

最後に、「地方政策について考える」と題して我々の発表~

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前段でHOPSの説明やフィールドワーク(むかわ町室蘭市)を通した地方政策の話をし、その後メインテーマとして「北海道上川郡東川町」に焦点をあてました。

 

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東川町の人口推移について(発表用パワポから抜粋)

1995年頃から人口増加している東川町。なぜ、東川町に焦点を当てたかというと、東川町は「写真のまち」、「ひがしかわ株主制度」、「日本初の日本語学校設立」などの政策を行っていることを知り、それらがどう影響しているのかを知りたいと思ったことがきっかけでした。

 

↓ こちらが参考にした文献

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          写真文化首都「写真の町」東川町 (2016)

       「東川町ものがたり: 町の「人」があなたを魅了する」

 

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            玉村 雅敏・小島 敏明 (2016)

    「東川スタイル―人口8000人のまちが共創する未来の価値基準」

 

合同ゼミ前に、実際に東川町に行ってきました。

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東川小学校

↑ 2014年に新築される。広大な土地を存分に活用して、サッカー場や野球場、体験農園、果樹園などを周辺に整備した。(めっちゃ綺麗)

 

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フォトストリート屋外展示(期間限定)

 ↑ 東川に住む小学3年生から中学3年生までの25名が活動する「ひがしかわ写真少年団」による屋外写真展(写真に見惚れた)

 

文献を読んだり、一度行ったりしただけではよく分かっていないと思いますが、少しでも感じ取ったことをもとに、自分たちの中で出した結論としては、

・「写真」を地域文化として創造したことで閉鎖的でないまちを作り出したこと

大雪山など、魅了する大自然があること

・自分らしさを見失わない、自分を大切にできる場所であること

ではないかと。

 

公共政策を学ぶ私たちは、財政や住民との合意形成などの観点を踏まえた結論を出すべきだったと思います。

しかし、今回はそこまで結論づけることはできませんでした。発表後に出てきた質問を受け、課題を感じたのでした…。

 

ということで、ゼミの内容は以上になります。

 

最後に、、、

この合同ゼミは、京大・東大の運営スタッフのみなさんが自主的に企画・運営してくださった機会です。スタッフのみなさん、貴重な機会を与えて頂き、本当にありがとうございました!

 

文責:HOPS15期 石塚