ここまで授業やイベントの報告を繰り返しして来た。
だが、HOPSの前期も終了し、多くの学生が夏休みに入っている。
先日、HOPSの代表的な授業の1つ、社会調査法の中間報告会が開催された。
社会調査法は、後期に開講される政策討議演習と合わせ、1年間にわたって1つの町を対象に政策立案を行う授業だ。
例年、様々な町の協力を得て、学生の学びと経験の場が提供されている。
前年度の社会調査法、政策討議演習の様子については、こちらの記事も参照してほしい。
前期は、町の現状を図ることを目的に、社会調査の計画や課題の設定を中心に議論を重ねていることが窺えた。
石狩班は、スポーツを活用した町おこしをテーマに、夏季休暇と後期を見据えた調査計画を発表した。
近年、東京オリンピックを見据え、スポーツが政策対象となりつつあり、スポーツ庁の設立も記憶に新しい。
トレンドのテーマではあるが、今までの蓄積も多くはないため、スポーツの意味から議論を重ねていたようだ。
スポーツは健康寿命の増進、充実感の獲得、経済成長など様々な可能性があるとされている。
だが、果たしてそれらは本当にそうなのかまで、検討する必要があるのではないかなど、様々な意見が傍聴者から寄せられた。
喜茂別は何年もHOPSと協力関係にあるため、今まで介護や産業育成など様々なテーマで学生が発表を行ってきた。
今年度のテーマは、喜茂別町の情報発信についてだ。
情報発信とはいっても、一体何を、誰に、どのように発信するのかを真剣に議論する必要がある。
喜茂別班の学生もそこに注意して、前期は活動していることがわかった。
また、発表の中で広域連携にも言及していた。
喜茂別町は羊蹄エリアと西胆振の町村と、広域連携会議を設立している。
近年、広域連携は地方を中心に広がりを見せている。
小さい市町村が別個で事業を行うよりも、同じ利益を享受しうる近隣自治体が連携することで、より大きな事業を行うことを企図したものだ。
四国では、その一例として香川県広域水道事業団が設立され、県全体での水道事業の運営が始まっている。
だが、連携と簡単にいっても、無条件で連携を期待できない。
連携することで、いかなるメリットがあるのかを他の自治体にもアピールすることが不可欠だろう。
テーマ設定も簡単ではなく、議論は難航したようだ。
調査方針など、様々な側面から活発な意見交換が行われた。
写真からもわかるように、社会調査法は学部からの進学者、社会人、留学生が同じ班で1つのテーマについて調査や議論を進めていく。
そのため、様々な視点を持ち、全く違う考え方をする人同士が協力することが求められるのだ。
今年度の発表では、それらを上手く活かし、まとまりを持ちつつも各人の個性が窺える非常にユニークな発表であった。
二班の発表が終わると、今夏でHOPSの教員を退任され、省庁に復帰される実務家教員の先生方にお礼を兼ねて、学生より記念品が手渡しされた。
その後、先生方の送別会も兼ねて、履修者以外も参加する社会調査法の打ち上げが開催された。
榎本先生、倉谷先生ともに学生に対して、親身に接して頂き、多くのことを教授して下さった。
そのお二人が任期を終えるということもあり、感慨深さがある。
もちろん、お別れの場といっても、前期の苦労を労い、笑い声の絶えない会となった。
二次会まで続いた会では、普段は交流の少ない人同士でも話し込んでいる様子も見られた。
前期の授業に一区切りがつき、HOPSは長い夏季休暇へと入る。
それぞれの学生がどのような夏休みを過ごしたか、各人の思い出話を楽しみにしたいと思う。
文責:14期 和泉優大