【本紹介】地方消滅 縮小ニッポンの衝撃
クリスマスも過ぎ、今年も残りわずか。
大学も徐々に人がまばらになり始め、年の暮れを実感する今日この頃です。
ところで、皆さんは本を読んでいますか?
漫画ばかり読んでいる人、ドキッとしましたか?
まあ、僕のことなんですが。
おふざけはこの程度にして、近年は、大学生の読書離れが叫ばれております。
こちらの記事に書かれているように、1日に全く読書をしない学生が過半数を占めているようです。
読書は時間もかかりますし、頭も疲れますが、読んで得る知識、想像力、批判的思考、教養など1冊の本を読むだけで世界が広がると、僕は考えています。
ただ、いきなり本を読めと言われても
「何を読んだらいいのかわからない」
そう言う人も多いんじゃないかと思います。
そこで、今回は公共政策大学院の院生がおすすめする本を紹介します。
今回は初めて、ということで公共政策大学院ならではのオーソドックスな本を紹介しましょう。
今回、紹介するのはこの2冊。
まずは右の本から。
増田寛也編著「地方消滅」
2014年 中公新書
地方創生という言葉が生まれたのと同じ年に出版され、日本全体で話題となった公共政策学徒には欠かせない本です。
東京都知事選にも出馬し、岩手県知事や総務大臣も務めた増田寛也氏と数名による著作です。
この本では、国立社会保障・人口問題研究所などのデータを用いて、地方の人口流出と東京一極集中がこのまま進むことで、将来的に消滅する地方の町が出てくるということが書かれており、過疎自治体をはじめとした日本全国に衝撃を与えました。
消滅の可能性は、将来的な若年女性の予測人口によって算出され、首都圏の一部を含む多くの町が消滅可能性都市として紹介されています。
東京一極集中が引き起こす日本の危機、地方の町の窮状、公共政策を勉強するのならば必ず読んでおいて欲しい1冊です。
また、具体的な町の例として北海道の各都市も紹介されており、北海道にいる学生としても読んでおきたいですね。
次は左の本
NHKスペシャル取材班
「縮小ニッポンの衝撃」
2017年 講談社現代新書
こちらも「地方消滅」と同じく、地方の人口減少に焦点を当てた本です。
こちらの本はNHKスペシャルの同名のテレビ番組の取材を元に書かれたもので、各町の具体的な状況や取り組み、住んでいる人々の声が詳細に述べられています。
この本で衝撃的であったのが、東京のど真ん中、池袋のある豊島区が消滅可能性都市に含まれているということです。
地方からやってくる若者が住み着き、結婚や定職に就くこともなく老後を迎える。
それが繰り返されることで、東京の中心でも消滅していくということがわかりました。もはや、地方だけの問題ではないのです。
また、政策討議演習でも調査対象となっている夕張市についても、多くのページが割かれて紹介されています。
夕張市については「政策空屋」という市営住宅への新規入居を制限し、維持費を削減しようという手段について触れられています。
住民の方のここに住み続けたいという声が悲しくて仕方がありませんでした。
しかし、維持しきれないのも事実。
この先、日本中のまちが厳しい決断を迫られていくことを示唆するかのような内容でした。
テレビ局の番組が元なので少し脚色している部分もあるかとは思われますが、それでもこの本は是非一度読んでもらえればと思います。
今回はこんなところで終わりにします。
HOPSの自習室の各人に机と書棚が割り当てられるのですが、持っている本もその人のカラーが出て面白いものです。
僕以外の人の紹介する本も読んでみたいような気がします。
文責:HOPS14期 和泉優大